音源派向けコンテンツ ハイレゾ音源 配信サイト比較
・最初に
写真著作者: Eldkvast http://free-photos.gatag.net/2013/04/12/120000.html
以前僕は当ブログで「音楽フェスが嫌い」という記事を書きました。
http://d.hatena.ne.jp/loki16185/20130902/1378094505:音楽フェスが嫌い
ここでの主張は、近年、CDからライブ・フェスへと音楽の消費が移る中、それになじめない音楽好きが一定数いるはずである。
しかしその層に向けたCDに変わるコンテンツはまだないのではないか?というものでした。
※この表、かなり乱暴に分けています。変だなと思ったら是非修正案をください。
・反ライブ派(音源派)コンテンツ ハイレゾ
そんな中、反ライブ派(音源派)に向けたコンテンツが台頭してきました。
それがハイレゾ音源です。
ハイレゾ音源とは?
http://ascii.jp/elem/000/000/851/851474/:高級ウォークマンも入手困難!? 大人気のハイレゾ音源を解説! ascii
ハイレゾに関しては細かな定義もありますが、とりあえず「すごい高音質の音源」と考えてもらえばいいと思います。
ハイレゾ音源を視聴するために必要なものは主に2つ。
①USB−DAC
②ハイレゾ再生ソフト
①の必要性はというと、通常のPCに内蔵されている機器では、96kHz/24bitといった高音質の周波数に対応していないため、その機能を補うために外部からUSB−DACを接続 し、対応周波数を上げる必要がある。
②に関しても同様で、一般的な音楽再生ソフト(itunes等)はflac等のハイレゾ音源に代表されるファイル形式に対応していない。その為、flac、WAVといったハイレゾ音源のファイルに対応した音楽再生ソフトを用意する必要がある。
USB-DACは安いものなら数千円で、再生ソフトはフリーの物が手に入る為、環境を整えるためにはそれほどお金はかかりません。
僕も実際に一万円程度のUSB-DACとフリーの再生ソフト「foobar」を使用していますが、今までPC上で聴いていた音よりも、遥かに音質が向上したと実感しています。
※USB-DACが届いた時は平日ながら深夜3時まで音楽を聴き続けてしまいました。
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ハイレゾ音源は、コンテンツとして十分魅力があると言っていいと思います。
これなら、音源派に向けたCDに変わる新たなコンテンツの台頭と言ってもいいのではないか。
四象限のマトリクスの左下を埋める存在といえます。
前回をブログを書いたときはハイレゾ音源について知らなかったんですが、既に存在していたんですね。「グレイトフルデッドにマーケティングを学ぶ」の中でも、ライブでの録音を自由に許可する中で、高音質な音源にはファンもお金を払っていたらしいという記述があったので、これは必然な流れなのかもしれません。
・ハイレゾ配信サイト比較
ハイレゾ音源は各種配信サイトで有料無料其々ダウンロードすることが可能。
現在まだハイレゾの普及は始まったばかりの為、配信サイトは乱立しています。
どのサイトにもメリットデメリットがあり、まだまだ其々課題点の方が多いのが現状です。
そこで今回は代表的な配信サイトを一覧にして比較してみます。
※思いのほかまとめるのに時間が掛かったので、適当になっている部分も、多分あります。
さらに其々のポジションを作成してみました。
・表を作成する中で気づいた点
気づいた点を箇条書きに。
・クラシック関連が多い
・1960年代等を中心とするサイトもあり、中高年に向けたものが中心。
オーディオマニアは経済的余裕のある中高年に多いことに起因するものと思われる。
(若年層向け市場開拓として、onkyo mora 等はアニメ・ゲーム音楽に今後力を入れるらしい)
・メジャー中心のサイトがほとんど
・どのサイトもまだ手探りで利便性が高くない(検索、ダウンロード方法等)
・国内サイトは単価が高め
こんな感じでしょうか。
正直うまく切り分けられる軸が思い浮かばなかったので、無理やり当て込んでいます。
※もう一つ高さの軸を入れればよかったかもしれない。
・bandcampの可能性
僕はこの中では個人的にbandcampを推します。
その理由は以下の5つ
・ファン側が支払う金額を設定することもできる
(グレイトフルデッドや、レディオヘッド的投げ銭システム)
・バンド側だけでなく、ファンページも存在。交流が可能。
・洋楽インディファンはジャンルが一番マッチする。
・他サイトに比べバンド側の収益率が高い(サイト販売手数料が15%)
・多数のファイル形式でダウンロードできる。(MP3,Flac,ALAC,AAC等)
itunesや定額配信、他ハイレゾ配信サイトでもバンド側の収益性の低さが、音楽配信では常に問題になります。そうした中で、bandcampの投げ銭的システムは画期的です。
過去にはレディオヘッドが7枚目のアルバムを出した際に、同様に投げ銭にし、一定の収益を挙げたという実績もあります。
バンド側の収益性が高いということは、いい音楽が生まれやすい環境にも繋がるはずです。
また、個人的な趣味の問題として洋楽のマイナーな音楽が一番手に入りやすいというところが非常に大きいです。ハイレゾ配信サイトは基本的にクラシックやジャズといった中高年にリスナーが多いジャンルに偏っています。また、インディよりもメジャーどころが多い傾向にあります。そうした中で先程のポジショニングマップの右下(洋楽インディ)に重きを置いているのはbandcampだけです。
・配信サイトのポイントを考える
今後ハイレゾ配信サイトが普及するうえで必要なポイントを思いつく限り箇条書きに。
・配信サイトが乱立しているため独自性を打ち出す必要性がある
・ダウンロード、決済、保管性、検索性(レコメンド等含)等の利便性向上
・音楽以外にも拡張性があるか。グッズ販売、歌詞データ、ブックレット等
・アーティストが収益を挙げることができる仕組みか
・ファンコミュニティの活性化
あと余談ですが、アニソンに関してはそのうち専門サイトができそうな気がします。
恐らく今後は一つのサイトが全てのジャンル席巻するようなことはできない気がします。
これだけ其々の趣味の領域が拡散してしまったのだから。そうした状況では、逆にジャンル
を絞ってわかりやすく特化するほうが重要だと思います。
取り敢えず今回はこのくらいで一度区切りしたいと思います。
次回はbandcampが違法ダウンロードを止める存在になれるかという事をテーマに書くつもりです。
↓この辺の書籍で読んだことを参考にしています。